ガラスかアクリルか
額縁には仮縁など一部の製品を除き作品を保護するカバーが付いています。
この素材も以前はガラスが一般的でしたが最近はアクリルや塩ビといった素材が多く用いられるようになりました。
塩ビは厚さ0.5ミリ程と薄くポスター用のフレームパネルなど一部に用いられますがそれ以外ではガラスかアクリルを使用することがほとんどです。
厚みは2ミリ程度が一般的です。
では、ガラスとアクリル、どちらを選べば良いのでしょう。
一般的に両者では以下のようなメリット、デメリットがあります。
(○がメリット、×がデメリット)
ガラス
○キズが付きにくい
ガラスの表面は固いので布でこする等の通常の清掃ではほとんど傷がつきません。
ただ砂ぼこり等固い粒が付着した状態で擦ると傷がつきますのでご注意下さい。
○割れない限り長持ちする
傷がつきにくいことに加え、通常の使用でしたらほとんど劣化しませんので長持ちします。
○アクリルに比べやや安価
材料として比較するとガラスのほうが安価です。
ただメーカーもアクリル付きを標準としてことが多くなったためガラス仕様に変更しても
同額か場合によっては追加料金のかかる場合があります。
一部廉価なタイプの額縁はガラス仕様が標準というものが多いです。
×アクリルに比べ重い
同じ大きさ、厚みの場合、ガラスはアクリルの約2倍程の重さになります。
×割れた場合エッジが鋭利で危険
割れた部分は鋭利になっていることが多く触るだけでケガをする場合があります。
また細かな破片が生じる場合がありますので万が一割れてしまった場合には慎重にお取り扱い下さい。
×取り扱いに注意が必要
表面は固く傷が付きにくいのですが一点に強い力が加わると割れたり欠けたりし易いです。
特にエッジ部分は弱く固いものにぶつけたりすると欠けてしまいます。
アクリル
○軽い
ガラスの半分ほどの重さです。
○割れにくい
ガラスに比べて柔らかいので割れにくくなっています。
強い衝撃を加えたり一点が集中して曲がるような力を加えると割れる場合もありますが
ガラスのように一気に粉々になるようなことは少なく細かい破片も少ないので後処理は容易です。
×キズが付きやすい
ガラスに比べ表面は柔らかいため布などで強めに擦るだけで白く傷が残る場合があります。
埃を払うなどの日常の清掃でも少しづつ傷が蓄積しますのであまりひどくなってしまった
場合には交換をお勧めします。
×静電気を帯びやすい
静電気を帯びることによって空気中の埃が付着しやすくなります。
また作品の入れ替え時などにも埃やチリが侵入しやすく気を使います。
×熱で変形する場合がある
熱で膨張しますので強いスポットライトを当てたり夏場など高温になるところでの使用すると
歪みが生じる場合があります。
上記のような特性を考慮して選ばれると良いでしょう。
ただし、現在は多くのメーカーが額縁のサイズにかかわらずアクリルを標準とすることが一般的です。
ガラスに変更すると別途金額が加算されたり、ガラス付を用意していない場合もあります。
一般の使用でしたらアクリルの方が安心ではないでしょうか。